ミスター・ビッグ / BIG,BIGGER,BIGGEST the best of MR.BIG (1996年)
(右)シボレー・ベルエア1954年型 (左)シボレー・インパラ1958年型がモデルのおもちゃ
ビリー・ジーンの超絶技巧のベース、ポール・ギルバートの世界最速と言われるギター、そしてソウルフルなエリック・マーティンのボーカル。実力派ロックバンド「Mr.BIG」。90年代初頭に人気を博した。2年前に創設メンバーの一人、ドラムのパット・ドーピーが64歳の若さで亡くなっている。時代の変化を感じざるを得ない。
最大のヒット曲「TO BE WITH YOU」(1993年)。確かな演奏技術とソウルフル、かつメロディアスな楽曲、そしてロック魂あふれるサウンドで世界的なヒットとなる。バンドをやる人たちのあこがれの的だ。完成度の高い楽曲は聞いているだけで心地良い。しかし、どうしたことか彼らの人気は日本だけで持続し、本国アメリカでは忘れられてしまう。英語版Wikipediaには少し皮肉を込めて「BIG IN JAPAN」現象として彼らの写真入りで紹介されていたりする。日本だけで人気のある欧米のアーティスト、という意味だ。
このアルバムは1996年にリリースされた彼らのベスト・アルバム。写真は前回紹介したジュード・コールの印象的なアルバムジャケットを撮影したジョン・ヘルパーン。イーグルスの再結成アルバムをはじめこの時期のアルバムアートを数多く手がけていて、彼の作品にはクルマをモチーフとしたものが多い。
セピア色の写真の右上に写るクルマはシボレーの1950年代の主力車種 ベルエア。ベルエアの名前はシボレーの上級モデルにつけられたが、それまでは全部ひっくるめてただの「シボレー」しかなかった。戦後設計モデルが続々登場してバリエーションが広がり、アメリカ車の黄金時代が始まるころのクルマということだ。左下で男の子が真剣な面持ちで運転しているのはシボレー・インパラ。ベルエアの下位モデルとして登場した2ドアスポーツクーペで、羽ばたくカモメのようなテールフィンが特徴。このクルマにもしっかり羽が生えている。
コメントを残す