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2020-06-28

アール・クルー / THE JOURNEY (1997年)

フォード デラックス(1940年型)

1977年の「Finger Painting」は衝撃的だった。アール・クルー。彼の音楽は常に傍らにあり聴いていた。 最近の2008年作品「The Spice of Life」も良い。全く音楽スタイルを変えることなくひたすらギターを弾く。スムース・ジャズはともかくイージーリスニング的な扱いを受けがちだが、彼を目標にギターの道に進んだ人も少なくないはず。偉大なギタリストだ。

それにしても、まるでプライベートの記念写真のようなアルバムジャケット。愛嬌のあるブルドックは彼の愛犬だろうか。ジャケットの裏にはアップの姿も映る。ポケットに手を入れ、にっこり微笑む彼の笑顔には音楽と同じく癒されるが、作品としてはもう一工夫ほしい気はする。長いキャリアを持ち来日回数も多いが、彼に関する情報は意外に少ない。彼のライフスタイルを知る手がかりは少ないが、80年代にはフェラーリ・テスタロッサの横に立つジャケットのアルバムをリリースしており、クルマは好きなのかもしれない。きれいに手入れされた1940年型のフォードは彼の愛車なのだろうか。

CDトレーの裏にクルマと一緒に映る別ショットの写真がある。かすかに見えるグリル形状、ボンネットの左右を走るクロームのモールライン、独特のバンパー形状よりフォードの1940年型とわかる。戦前はフォードといえば車種は1つだけで、スタンダード、デラックス、コンパーチブル、等のバリエーションがあるだけだ。メーカー名の下に独自の車名をつけるようになったのは1955年のサンダーバードが最初。ナンバープレートをギターケースで隠しているように見えるので、もしかしたら彼の所有のクルマだから、ということかもしれない。

この作品は気心の知れたメンバーとリラックスした雰囲気で録音されたアルバム。いつもの、ちょっと懐かしい雰囲気だ。爽やかでクリアなギター。爽快な気分はドライビングミュージックに最高だ。

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