矢沢永吉 / いつか、その日が来るまで… (2019年)
ポルシェ911・Type 991・カレラ4 (2011~19年)
生きる伝説とも言える矢沢永吉、70歳を過ぎてテレビで見るその姿、語り口は実に深みがあり率直で魅力的だ。昨年秋にリリースされたこのアルバムは7年ぶりのオリジナル作品。発売と同時に小田和正から最年長アルバムランキング・ナンバー1の記録を奪い。自身が持つベスト10アルバム記録を54に更新した。伝説は続くのだ。
1974年の渾身のソロ・デビューアルバムでは彼は自身のリンカーン・コンチネンタル・コンバーチブルの運転席に収まっていた。最新アルバムはシルバーのポルシェ911・カレラSだ。彼とクルマは切っても切れない。
「いつか、その日が、来る日まで」~ジャケット・タイトルの文字は彼の自筆だという。アルバム最終曲。なかにし礼作詞のタイトルチューンは様々な意味にとらえることができ、リスナーの想像力を掻き立てる。スケールの大きい、心の叫びを表現した印象的な曲だ。
一曲目の「今を生きて」。これも象徴的なタイトルだ。SPEEDをプロディースした伊秩弘将の作詞。アルバム全体を覆う重厚で良質なサウンド。豪華なスタッフ陣で固められたこのアルバムは彼の集大成なのか、と言うとそういう気負いは全く感じられない。自然体だ。思わず心が惹かれるいつものフレージング、ちょっと懐かしいアレンジ。全く変わることのないボーカル。あくまでもマイペースだ。あまりにも赤裸々でストレートな詩はところどころひっかかりを感じることもあるが、それが永ちゃんらしいところ。これからもまだまだ活動を続けるであろうことは確信できる。彼の人生に終わりはない。
実に残念なことに現時点でこの作品はストーミングで聴くことができない。映像とセットになった様々なバリエーションがあるので購入してお聴き頂きたい。
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