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2020-09-13

ロニー・スミス / DRIVES (1970年)

リンカーン・コンチネンタル第5世代 (1970年型)

最新型のリンカーン・コンチネンタルのサンルーフをオープンしてポーズを決めるハモンドオルガンの名手ロニー・スミス。クルマを題材にしたカージャケットアルバムの中でも最高クラスの爽快感だ。彼は70年代にブルーノートに5枚のアルバムを録音したのちに、ターバン姿で知られる北インド発祥のシーク教に改宗。ガラッと雰囲気が変わり自らをドクター・ロニー・スミスと名乗るようになる。彼は70歳後半になる現在も活動を続け一昨年には来日もしているが、その姿とこのジャケット写真とのギャップは大きい。

強力なシンクロナス・モーターで91枚のトーンホイルを回転させて発音するハモンドB3。そのメカニズムとサウンドも唯一のものだ。ハモンド・オルガンといえば、もともと教会用に作らたこオルガンをジャズの世界に取り込んだジミー・スミスが有名だ。ロニー・スミスは名前が似ているが偶然だ。生まれのニューヨーク州の小さな楽器店に毎日通って弾いてるいるうちに、店主から「このドアから自分で運び出せるなら持って帰っていいよ」と言われたそうだ。もちろん彼は必死に持ち運んだ。

クルマはリンカーン・コンチネンタルの1970年型。特徴的な形状のバックミラーの裏にリンカーンのロゴがあり、三角窓がないことから1970年にフルモデルチェンジした第5世代であることが分かる。このモデルで三角窓が廃止された。このアルバムの録音は70年の1月なのでモデルチェンジ直後のバリバリの新車ということになる。オイルショック前の、アメリカ車が最も巨大で豪華に進化した時代のゴージャスなモデルだ。アルバム名は「DRIVES」。クルマは無言で多くを語る。

このアルバムの2曲目に収録されているBlood, Sweat & Tearsの「Spinning Wheels」はHip HopやRapの数多くのアーティストにサンプリングされたことで知られているが、調べた人によるとその楽曲は60曲以上に及ぶというから驚きだ。マイルスの「Seven steps to heaven」など選曲も楽しいが、サポートするJoe DukesのドラムやLonnie Cuberのバリトンサックスは主役を置き去りにするほどの炸裂ぶりで聴きごたえのあるアルバムだ。もちろん軽妙でソウルフルなハモンドのサウンドは素晴らしい。

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