toggle
2020-01-04

CHAR/THRILL (1978年)

4代目トヨタ・クラウン(1971~74年S70系)2ドアハードトップ

「クジラ・クラウン」の裏ジャケットが鮮烈なCHARの3rdアルバム「THRILL」。当時23才。 初期のCHARの活動の方向性を決定づけた 作品だ。フェンダー・ムスタングのサウンドにしびれる。アルバム後半はゴダイゴがバックを務める。

アルバムジャケットは吉田拓郎「元気です」をはじめ、この時代の数多くのジャケット写真の撮影で知られるフォトグラファー TAMZINこと田村仁氏。クルマは当時国内を走るクルマの最高峰と言ってよいトヨタ・クラウン 2600・2ドアハードトップ。当時は2000ccを超える3ナンバー車は禁止税と言ってもよいほど高額な自動車税が課せられ、また現在のようにヨーロッパ車は一般的ではなかった。クラウンは高級車の代表だ。

この写真の撮影意図は難しい。ちょうどこのころ新しい文化の発信地として急速に知名度を高めた表参道に集まる人々の軽薄な様子を皮肉ったアルバム収録曲「表参道」を写真であらわしたものか、と思ったが場所は原宿・表参道ではない。

片側4車線で歩道橋の先には首都高らしき高架橋。あるいは鉄道の高架か。背景の表示板は重要な証拠だが文字はアウトフォーカスになっていてどうしても読み取ることができない。撮影場所が分からない以上撮影意図に確信が持てない。CHARには熱烈なファンが多いが意外に情報が少なく困った。

クラウンのナンバープレートは「CHAR」の文字が書き込まれていて手の込んだ写真だ。実に印象的なこのジャケット、情報をお持ちの方はぜひ教えて頂きたい。周到なリサーチに基づいて執筆を続けてきた当シリーズ初の「ギブアップ」である。しかし作品の価値には変わりはない。このアルバムを含むCHARの主要作品はSpotifyやAmazonなどのオンデマンド・ストリーミングで聴くことが可能だ。

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です