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2020-06-14

ドナルド・バード / THE CAT WALK (1962年)

ジャガー Mk2 (1959~67年)

デトロイト出身のトランペット奏者ドナルド・バード。若くして非業の死を遂げたハードバップの名手、クリフォード・ブラウンの再来と言われ、その後いち早くフュージョン/クロスオーバーの世界に進み、教育者としても活躍した実に多彩なアーティストだが、2013年に80歳で没した。鮮烈な赤のジャケットが目を引くこのアルバムは彼のハードバップ期の集大成。ファンキー・ジャスの楽しさが満載だ。アルバムのタイトル・チューン「The Cat Walk」は彼のオリジナル作品で実にご機嫌だ。ジャケットに映る「ジャガー」はBig Catの異名を持つネコ科の猛禽類。しかし曲名にかけてこのクルマが選ばれたのかは定かではない。

大胆な構図で自信にあふれるドナルド・バードの姿を表現したこのアルバムジャケットは、この頃のブルーノートの作品を数多く手がけたリード・マイルスのデザイン。撮影は同じくブルーノートのジャケット写真を数多く手がけたフランシス・ウルフ。1960年代前半まではイギリスの自動車産業は隆盛を誇っていた。クルマはそのイギリス・ジャガーの中型サルーン Mk2。このモデルからボンネットの先端にジャガーがジャンプする「リーピング・キャット」と呼ばれるマスコットが採用され、写真にも写っている。先述のように、アルバムのタイトルに合わせてジャガーを選んだとすれば面白いのだが、実はドナルド・バードはブルーノートにこれとひじょうに良く似た構図でメルセデス190SLとジャガーEタイプと一緒に映っているアルバムをリリースしている。これらが彼の所有のクルマかどうかは分らないが、クルマと一緒に映ることを相当好んでいたことは間違いない。

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